新学期 教科書を配付しました
4月13日(木)
今日から全校生徒が登校するようになりました。明るい朝の陽ざしの中、元気よく笑顔で登校してくる子どもたちの姿は、私たち職員に元気を与えてくれます。同時に、「今日も、登校してきてくれてありがとう!」という感謝の気持ちもわいてきます。
新学期は、新しい教科書が配られます。その教科書について、義務教育では無償配付となっています。当たり前のようになっている無償配付ですが、歴史をたどると1963年ごろから、教科書無償化の動きが展開されはじめ、今に至っています。現在の小6年・中3年の9年間義務教育は、昭和22年(1947年)に制度化されました。その頃は、まだ教科書無償配付となっていませんでした。戦後すぐの混乱期の最中に、有償の教科書をすべての家庭が準備できたわけではありません。おさがりやボロボロになって教科書を使い続けるという状況だったと想像できます。
その後の詳しい経緯は…割愛します。
現在の教科書は、お金を支払うとすると中学校では、一人当たり合計約7000円~8000円になります。日本中の小・中学生に配られる教科書代は、総額で約400億円程度になるそうです。このお金は税金から支払われます。「血税」という言葉が使われることがありますが、教科書は決して無料ではなく、保護者の方々や私たちが納めた税金から各教科書会社に支払われているということです。
子どもたちには、そこのところをしっかり理解させていきたいと思います。使い込んで傷んでくるのは仕方がありませんが、わざと汚したり、破ったり、余計な落書きをしたり…は、してはいけないということです。教科書が、途中でどうしても使えなく(紛失・破損等)なってしまった場合は、新しい教科書を用意しなければなりませんが、それは無償ではありません。あらためて購入していただくことになります。
「教科書は、無料でもらえるもの」と思っていて、雑に扱ってしまう子どもも中にはいます。決してそうではないんだよと、機会があるごとに伝えていきたいと思います。
以下は、大分市教育委員会 人権・同和教育課が発行している「人権・同和教育だより VIVO第153号 2023(令和5)年4 月12 日」からの抜粋です。読んでいただけると幸いです。
(教科書)無償化前の当時の様子です。
1960年ごろになると、物価も上昇し、家計が苦しくなる中、教育費の保護者負担を軽くしようとする動きがではじめました。そして、「憲法26条に記されている『すべての国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負う。義務教育は、これを無償とする』というのだから、教科書を買うのはおかしいのではないか」「教科書がただではないのは、憲法で定められていることが守られていないということではないか」ということが話し合われ、下記のような運動につながっていくのです。
そして、こうした運動が全国的に発展し、国会でも大きな問題として取り上げられました。ついに 1963年に法律が成立し、翌年から段階的に教科書が無償で子どもたちに配られるようになりました。
教科書無償化から 50 年以上が経ちます。新1 年生に配付される教科書の紙袋には、
一年生として初めて教科書を手にする機会に、この制度に込められた意義と願いをお子様にお伝えになり、教科書を大切に使うようご指導いただければ幸いです。
とのメッセージが書かれています。
教科書無償化の運動は、厳しい差別を受けながらも、我が子に新しい教科書を持たせたいと願う親たちのたたかいでもあったのです。そして、今現在、すべての子どもたちに教科書が無償で配付されています。毎日のように扱う教科書の「意義」についてもう一度考えてみることも大切ではないでしょうか。(抜粋ここまで)