閲覧補助
文字サイズ
文字サイズ
アクセス

校長コラム カーネーションの色は… 母の日・父の日

校長コラム カーネーションの色は… 母の日・父の日

6月15日(木)

6月の第3日曜日は、「父の日」になっています。昨日、他県に住んでいる娘から、ある荷物が届きました。メッセージには、「父の日 & 遅めの母の日です」とありました。ありがたいですね。

母の日…といえば、小学生のころに、「母の日は、母親が健在であれば赤いカーネーションを。亡くなっているときは白いカーネーションを飾る」と聞いていました。私は母の日に、カーネーションを飾ったことがないというか、はじめから意識などしていなかったので、赤でも白でもよかったわけです。

でも、「赤」か「白」かを分ける必要があるかどうか。不幸にもお母さんを亡くしている子どもが、わざわざ白いカーネーションを選ばなければならないの?

現在は、その区別をすることに配慮すべきだという声があがり、今では「赤いカーネーション」を贈るのが一般的になっています。

かわって、6月15日付けの朝日新聞に、「靴下にレインボーカラー 入廷認めず」という記事がありました。国会でLGBT法案が話し合われている現在にあって、「性的多様性を支持・理解する気持ちを表明するときにも用いられているレインボーカラーをあしらった靴下を着用している人は傍聴できない」という措置をとったとの記事でした。その措置は、「同性婚が認められないのは『違憲状態』」との判断が示された判決当日のことだったそうです。

その措置が正当か不当かについて、私が意見を述べる立場にはありませんが、母の日のカーネーションのように感謝の気持ちを表わしたり、レインボーカラーのようにありのままの自分を理解してほしいと切実に願う人が思いを表現したりするところに、「赤か白か」「身につけるかつけないか」で区別するのではなく、「感謝」の気持ち「わかってほしい」という気持ちを汲んで、どのような行動・声かけをするといいのか。自分がその立場の当事者だったらどうするか。みんなが幸せに生きていけるようにするには…と考え続けるのが大事だなと思います。

この世に命を授かった人は、すべて母親のお腹から出てきました。私の母は、今年の母の日の1週間後に亡くなりました。亡くなったとはいえ、「母の日」と私の誕生日には、「産んでくれてありがとう」と仏壇に手を合わせようと思います。