【校長コラム No.32 知足】
「足るを知る」という言葉があります。意味は、自分の現状や分をわきまえて、それ以上に多くを望まず、感謝し満足すること。老子の「足るを知る者は富む」という言葉、すなわち、満足することを知っている者は心が豊かであるという言葉に由来します。今は、SNS全盛の時代です。それらを見ると、誰もが輝かしい成功や幸せを謳歌しているように見えるのですが、本当にそうなのでしょうか。実は、輝かしい瞬間が切り取られているのではないでしょうか。切り取られた世界に惑わされることなく、足るを知るを実践できれば、心を穏やかに保つことができて、自分の幸せの主導権を握ることができると思うのです。目標を達成したとき、欲しかったものを手に入れたとき、心が満たされると感じます。ただ、もっと大切なことは、今すでにここにあるものの価値に目を向けること、気づくことではないでしょうか。客観的に見ればすでに満たされているのに、それに気づかずにまだ足りないと求め続けているのであれば、幸せを逃してしまいます。これで十分、ありがたい。足るを知ることができる人こそ、幸せになれる人なのです。