【校長コラム No.12 宿題】
三人のレンガ職人の話です。旅人が三人のレンガ職人に出会います。一人ひとりに、何をしているのか、尋ねてみました。一人目のレンガ職人は、「見たらわかるだろう。レンガを積めと言われたから、レンガを積んでいるのだ。」と返答します。二人目のレンガ職人は、「壁を作っているのです。これで家族を養うことができるのです。」と答えます。三人目のレンガ職人は、「大聖堂を作っているのです。ここに人々が集い、悲しみは皆で慰め、喜びは皆で祝福するのです。」と答えます。さて、みなさんがレンガ職人であれば、どのレンガ職人でありたいですか。現実的な課題として、家庭学習や宿題について考えてみましょう。学校アンケートから、十分な家庭学習が行われていないことがわかりました。別のデータですが、家庭学習の時間と学力には相関が見えています。ということは、学力を身につけるためには、ある程度の家庭学習が必要です。主体的に学ぶことができる子どもには、宿題は必要ありません。ただ、それができる子どもは非常に限定的です。そのため、先生方は、学習習慣をつけるため、学んだことを定着させるために、宿題を出します。それは、家庭学習を担保するためなのです。その宿題について、レンガ職人と同じように考えてみましょう。どうして、宿題をやるのですか。一人目の子どもは、「先生や親がやれと言うから、仕方なく、宿題をやっているのです。」と答えます。二人目の子どもは、「テストで高得点を取るために、宿題をやっているのです。」と答えます。三人目の子どもの答えは、「自分には夢ややりたい仕事があります。それを実現するために、家庭学習の一環として宿題をしているのです。」