【校長コラム No.5 否定と批判】
子どもたちに話をしたとき、話の内容を否定する子どもがいます。子どもの否定は多くの場合が粗削りで、突っ込み所がたくさんありますので、そこから話は膨らみます。また、自我の芽生えと思い、微笑ましくもなります。ただ、これが大人になると、どうでしょうか。どんな話をしても、否定ばかりする大人の人がいます。大人ですので、さすがに自我の芽生えとは、思いません。おそらく、今までの生活で不満が蓄積しているのだろうなと想像します。なお、人の話の否定はとても簡単です。話の中で否定できる点を一つだけ見つければよいからです。必ずしも、そうとは言えない、という言い方をする人もいます。こちらも、例外を一つだけ見つければよいので簡単です。否定することは極めて簡単ですが、生産的な行動とは思えません。そのため、粗削りでも多少間違っていても前向きで行動を伴う意見を支持したいと思います。こうしたらどうでしょうか。否定と似た言葉に、批判という言葉があります。否定は認めない、受け入れないという意味であるのに対して、批判は良い点と悪い点を検討・評価し、改善点や問題点を指摘することを意味します。良い点は良い点として評価し、改善点があれば教えてあげる。否定するのではなくて、批判する。前向きで生産的な対話、行動が増えればよいと思います。