第八回卒業式式辞
(卒業式では飛ばした部分もありますが、準備していた式辞の全文を掲載します。)
校庭の白木蓮の白い花が、青空に向かって凛と咲く、希望の春が訪れました。今日のよき日に、野津原の地で、子どもたちの成長を見守って来られた来賓の皆様と、誰よりも身近にお子様を慈しみ勇気づけて来られた保護者の皆様にご臨席を賜り、野津原小学校第八回卒業式を執り行うことができますこと、教職員一同の大きな喜びでございます。
卒業生のみなさん、卒業、おめでとうございます。
みなさんと過ごしたこの一年、心に残っていることを振り返ります。修学旅行で行ったグリーンランド。グリーンランド全体を見回ることが校長先生の役割と思っていましたが、今年度は違いました。班の一員として迎えてくれました。「校長先生、行くよ」の掛け声で、一緒に、ジェットコースターの長い列をめがけて走っていました。給食アンケートで六年生教室を訪れたときは、温かく拍手で迎えてくれて、色々な質問や話をたくさんしてくれました。卒業生には、分け隔てなく人に接する優しさを感じるとともに、相手意識が確実に芽生えていると感じました。運動会では、わずか数分の応援合戦のために毎日練習する姿があり、なわとび記録会では、朝からクラスみんなで長縄跳びを練習する姿がありました。このような姿を見て、みんなで同じ目標に向かって、ひたむきにがんばる、一体感のある良いクラスだなという印象を持ちました。
この一年間、みなさんに言い続けてきたことは、相手意識を持つこと、すなわち、人の気持ちを考えて話したり行動したりできるようになってほしいということです。みなさんは何れ社会に出て働きます。社会でまず求められることは、相手意識に代表される人間性と社会性です。信頼できる人か、協力できる人かが見られます。そのため、小学生のときから相手意識を身につけていれば、社会に出て困ることはほとんどありません。みなさんには、すでに相手意識の基盤はできあがっています。中学校では、より一層、強固なものにしてほしいと思います。
卒業を前に、みなさんのことをもっと知っておきたいと思い、面談をさせてもらいました。六年生でがんばったこと、中学校でがんばることなど、一分間スピーチをしてもらい、質疑応答をしました。一人ひとりが、自分の言葉で自分の考えをきちんと話してくれる姿を見せてくれました。自信を持って小学校を送り出すことができます。
面談では、多くの人が中学校で勉強をがんばるとの決意を表明してくれました。そこで、みなさんへの最後の話は、勉強、学ぶことにしようと思います。勉強とは何だと思いますか。テストで点を取ること、入学試験に合格すること。そのように考えている人が多いかもしれませんが、勉強の本質は違います。自分の知識と語彙力等をもとに、自分の考えや意見を形作って、人に伝えること、対話すること、これらを通じて、自分の人生を切り拓いていくこと、いわゆる「生きる力」を身につけることが、勉強の本質です。ポイントがいくつかあります。自分が持つ語彙以上のことは考えられないということ。だから、語彙力はとても大切なのです。知識はもちろん必要ですが、アウトプットしないと宝の持ち腐れとなります。英語を例に話します。英単語や文法を沢山知っているのに英語を話そうとしない人と、知識はあまりなくても人前で積極的に英語を話そうとする人。明らかに、英語を積極的に話そうとする人、アウトプットする人の方が、生きる力を持っている人です。これは、英語以外でも全く同じです。
これらのことを踏まえて、中学生になるみなさんへの最後のメッセージです。自分に限界を作らず、持てる力を出し切って、将来の夢を見つけてください。そして、将来の夢を実現するために、自分に限界を作らず、持てる力を出し切って勉強してください。難しくはありません。みなさんは、運動会の応援、持久走記録会、なわとび記録会では、目標を定めて、時間をかけて、持てる力を出し切って、がんばってきました。それを、勉強に応用すればよいのです。持てる力を出し切って勉強した、一心不乱に勉強したという経験がある人は、多少のことには動じなくなります。確かな根拠を持って、自分に自信を持つことができます。テストで点をとるための勉強ではなく、常に自分の問いを持ち続け、主体的に学ぶ、そのような本質的な勉強、学びを、ゲームや動画以上に、時間をかけてがんばってほしいと思います。みなさんは小学校を卒業しますが、学ぶことに卒業はありません。幸せな人生を送るために、人や環境のせいにしないかっこいい大人になってほしいと切に願います。ふとした瞬間に、心の中でつぶやいてほしい合言葉があります。それは、「そうだ、勉強しよう」です。
希望の春。勇気を翼にこめて、広い大空へ羽ばたく卒業生のみなさんの前途に、幸多かれと祈ります。