(11/21)大分県小学校長会研究大会
11月21日、大分県小学校長会研究大会が日田市で開催されました。大会主題は、「自ら未来を拓き ともに生きる豊かな社会を創る 日本人の育成を目指す小学校教育の推進 ~心豊かでたくましく ともに生きるための力を育む 活力ある学校づくりを推進する校長の理念と指導性~」です。理念とは、根底にある根本的な考え方のこと。指導性とは、目標達成に向けて組織を導く能力のこと。大分県教育員会教育長(当日は木村教育次長が代理)と椋野日田市長より、来賓あいさつをいただきました。講演は、大会実行委員長の同級生(大分銀行常務)から、「人財育成こそ管理職の任務」という話をしていただきました。また、大分県教育庁義務教育課から行政説明がありました。午後は、九つの分科会に分かれて、提案をもとにした協議を行いました。ちなみに、九つの分科会とは、経営ビジョン、組織・運営 評価・改善、知性・創造性、豊かな人間性 健やかな体、研究・研修、リーダー育成、学校安全 危機対応、社会形成能力、自立と共生 社会との連携・協働です。何れも興味深いテーマですが、当日は、一つの分科会にしか参加できません。他の分科会の提案については、要録で確認しようと思います。
講演では、多くの学びがありましたが、特に印象に残った内容をあげるとすれば、「共感力>報酬力>強制力」と「1 on 1 ミーティング」です。強制力や報酬力で人を動かしても、納得したり共感したりしていないと、背面服従ということもありえます。対話が大切な所以です。1 on 1 ミーティングとは、一人ひとりとの面談のこと。残業時間を減らすように言っておきながら、新たな面談をするのは矛盾しないかという声があるかもしれませんが、長い目で見れば、矛盾しないと考えます。忙しいから対話しない、面談しないとすれば、改善の糸口を見つけることも難しいように思います。時間は短くても、自分の意見、考えを述べてもらうことは、非常に大切です。小学校でも、自分の考え、意見を持って、話したり書いたりできるように指導しています。大人になっても、大切なことは同じです。
参加した分科会は、「学校安全 危機対応」です。発表の中で、いろいろな施策を行うことで、まず、教職員の意識が高まった、次に、子どもたちの意識が高まったという話がありました。この流れはよくわかります。まず、教職員が、学校安全に対して意識を高めないと、子どもの安全感度は高まらないと思います。なお、意識の変化や高まりについては、主観的な評価ではなく客観的な評価をしたいところです。そのためには、上手に定義して当事者に答えてもらうなどで評価する必要があると考えます。協議の中で、不審者や火事など、学校安全にもつながる世の中のニュースは、教職員としては知っておく必要がある、情報を集める姿勢が大切であるという話をしました。最近の若い人はニュースを見ない、ですましてはいけないと思うのです。こういうことこそ、安全感度だと思います。危機対応については、未然防止が大切という話がありました。全く、その通りです。そのためには、日々の活動が今のままでよいかを再確認したり、今の学校の実態に合わせたことも積極的にやっていく必要があると感じました。発表の中で、1年生と6年生をペア学年として、教室も隣同士に配置したという話がありました。なるほどと思う反面、例えば、高学年部(5年生、6年生)としては、教室が隣同士であった方がいいのではないかとも感じました。それぞれのメリット、デメリットも考えたうえで、今の学校の実態に合わせた対応をとることが、一番大切で、それが、問題の未然防止につながると感じました。
単に、大分県下の小学校長が一同に集まっただけではありません。テーマ別に提案を受けた協議を行い、理念と指導性について再考するたいへん良い機会になったと考えています。