読む・話す・書く ポイント
野津原小学校では、今年度、書く力と対話力をつけることを目標にしています。『読む、話す、書く』の視点で、ポイントを整理してみました。
<<読む>>
■物語の読み方
・登場人物を確かめる。登場人物がしたことや言ったこと、気持ちを表すことばを見つけて読み、登場人物がしたり言ったりした理由を考える。様子や気持ちを想像する。登場人物の変化に気をつけて読む。登場人物が変わっていく様子を、出来事、出来事が起こる前と後の様子、登場人物の言葉などで確かめる。登場人物の性格を、会話や行動からとらえたり、語り手や他の登場人物のことばからとらえたりする。
・題名に用いられる言葉、繰り返し用いられる言葉、会話の中で用いられる言葉、重要な場面で用いられる言葉に着目して、作者の思いに迫る。
・絵が描かれていれば、絵も手がかりにする。
・読み深めたいことは何かを、問いの形にしてはっきりさせる。人物や場面の様子を表す言葉に気をつけて読み、場面と場面のつながりを見つけて読む。
・互いに対する心情が変化すると、人物どうしの関わりも変化する。そのきっかけとなった出来事に着目し、関係がどう変わったかについて考える。
・物語の全体像から考える。心情の描き方、人物の生き方や考え方、筆者が何を取り上げ、人物に対してどのように考えているか、自分の生き方に取り入れたいこと、など。表現の工夫や効果に着目して読むと、より味わい深く読める。
・語られる視点によって、人物の見え方は違ってくる。自分と比べながら読むことで、人物像を深くとらえることができる。内容ととともに、題名のつけ方、構成、表現の仕方や言葉の使い方の視点から、作者が作品にこめた思いを考える。作者の生き方や、他の作品の書かれ方と関連させて、考えを深める。
■説明文の読み方
・順序に気をつけて読む。わけ・理由を見つけて読む。
・文章は、「はじめ」「中」「おわり」などの大きなまとまりに分けられる。大きなまとまりは、一つ、またはいくつかの段落から成る。一つ一つの段落には、それぞれ、ひとまとまりの内容が書かれている。問いと答えに気をつけて読むと、文章全体の組み立てや、段落の中心をとらえることができる。
・「まず」「つぎに」などのことばを見つけて、順序をとらえる。
・絵や写真が、文章のどこを説明しているかを確かめる。
・一つの段落には、それぞれ、ひとまとまりの内容が書かれている。題名や「はじめ」の内容から、話題を確かめる。それぞれの段落の役割を考えて読む。
・筆者の考えを述べた文章では、文章の初めと終わりの両方で、考えを繰り返し述べていることが多い。どのような具体例を挙げて考えを述べているかなど、段落どうしの関係を確かめ、筆者の考えをとらえる。
・自分の知識や経験と重ねながら読む。筆者の考えと事例が、どのように結び付いているかを整理しながら読む。読んだ感想や考えを伝え合い、互いの感じ方の違いを明らかにすることで、新たなものの見方、考え方に出会うことができる。
・文章全体の構成を確かめ、主張と事例が、それぞれどの部分に書かれているかをとらえる。何のためにその事例が挙げられているのか、筆者の意図を考える。筆者の主張や挙げられた事例について、自分の経験や知識と関係づけながら読む。何に着目し、どのような言葉で説明や評価をしているのかをとらえる。
・文章の論の展開や、表現の特徴に気をつけて、考えや述べ方の共通点や異なる点を見つける。
■文章の読み方
・読んで、考えを持つ。誰が何をしたかや、何があったかを、順序に気をつけて読む。読んで分かったことと、自分の知っていることを比べる。
・感じ方の違いに気づき、よさを見つける。読んだ文章に対する感想や考えには、その人が文章をどう受け止めたり、理解したりしたかが表れている。自分とは違う感想や考えに出会ったら、違いはどこから来ているのか、他の人の感じ方のよさは何かを考えると、読んだ文章への理解が深まる。
・大事なことばや文を見つける。何について書かれた文章か、自分が知りたいことは何かを確かめて、文を読む。
<<話す・聞く>>
■大事なことの話し方・聞き方
・大事なことは何かを考えて話す。大事なことを聞き逃さないように、また、後で忘れないようにメモをとる。聞きながらメモを取るときは、必要なことは何かを考え、大事な言葉を書く。
・相手の考えを詳しく聞くために、大事なことは何かを考えて、質問する。質問することにより、相手の考えを引き出す。話の中心に気をつけて聞き、自分が知りたいことをはっきりさせる。知りたいことについて、どのように質問するとよいかを考える。相手の意図をとらえて、話の要点をまとめたり、内容を確認したりする。
・質問に答えるときは、その質問から、相手は何を知りたいのかを考えて話す。質問の意図が分からなければ、尋ね返し、確認する。
■考えを出し合い、話し合う
・話し合いたいこと(話題)は何かを確かめる。友だちの考えのよいところや、自分の考えと同じところと違うところはどこかを確かめる。
・話し合いの目的や進め方と自分の役割、どうやって決めるのかなど、進行を考えながら話し合う。相手や目的を考え、理由をあげて話す。伝えたいことに合う理由や資料を選ぶ。
・多くの参加者の意見が出るように、工夫して進行する。出された意見や、どうやって決めるかなど、整理して示す。立場の違いを明確にして、計画的に話し合う。立場や考え方が違う人どうしで話し合うと、新たな解決方法が見つかることがある。
・自分の体験や調べた事実など、具体的な理由を入れて話す。事実と感想、意見とを区別して話す。提案内容や図表などを資料にまとめて提示する。
・話し手が、目的や話題に沿って意見を述べ、その理由や事例として適切なものを挙げているかどうかを確かめる。自分の考えと比べる、共感したり納得したりできる点を取り入れるなどして、考えを深める。
・情報を絞ったり、図表を使ったりして、効果的な資料を作る。聞き手の反応を確かめながら、話し方や表現を工夫する。
・文章の感想を伝え合う。相手の考えを理解するのに役立った点、工夫していると思った書き方などを伝え合う。感想を聞くときは、自分の考えが正しく伝わっているかどうかを確かめる。
・伝えたいことを発表する。何について話すのかを考え、そのときのことをくわしく書き出す。聞き取りやすい声の大きさや速さで話す。
・調べたことを発表する。声の大きさや速さ、強弱、間の取り方に気をつけて、大事なことが伝わるように話す。表やグラフなどの資料を見せながら、聞く人に分かりやすく話す。
<<書く>>
■書く
・組み立てを考えて書く。「はじめ」「中」「おわり」のまとまりに分けて書く。「はじめ」に、何を知らせたいかを書く。「中」に、知らせたいことを詳しく書く。「おわり」に、まとめのことばを書く。
・誰が何をしたのかが、よく分かるように書く。様子がよくわかるように、ことばを選んで使う。
・どうすると感動が伝わるかを考え、言葉を選ぶ。言葉の順序を工夫する、たとえを使う、漢字、ひらがな、片仮名のどれを使って書き表すかなど表記の仕方を考える。調べてことを報告するときは、調べたきっかけ、調べ方、調べて分かったこと、まとめなどのまとまりに分けて書く。
・説得力のある意見文を書くには、実際にあったことや、その具体例や引用などと、自分の考えを区別して書く。異なる立場からの反論を想定し、それに対する考えを入れて書く。
・読み手に一番伝えたい情報は何かを考えて、書く内容をしぼる。どこに何が書かれているかが分かりやすいように、段落の分け方や書き表し方を工夫する。伝えたいことの中心が相手に伝わるように、見出しやよびかけを工夫する。
・提案する文章を書くには、現状や問題点を整理し、提案の理由を明確にする。提案の内容を具体的に示す。提案が実現したときの効果を示す。
・考えたことや感じたことを伝えるには、自分の経験とそのときの自分の気持ちが伝わるように、詳しく書くとよいところはどこか考える。自分が考えたことや、感じたことにふさわしいことばを選んで書く。材料となることを集め、伝えたいことを意識しながら整理する。どのような形式や表現を使うと、思いがよく伝わるかを考える。読んだ人に、自分の思いが伝わっているかを確かめる。
・事実をわかりやすく伝える。伝えたいことの中心を明らかにする。文章の書きだしに、最も伝えたいことを書く。見出しに、伝えたいことを短く示す。写真や図表を組み合わせて、分かりやすく示す。理由や例を挙げて考えを伝える。読み返して、書いたものを整える。他の言葉や言い方がないかを考える。言葉の順序や調子を変えると、印象が変わることがある。
・例をあげて書くと、読み手にわかりやすい。伝えたいことに合った例を挙げる。例を挙げる順序や、絵や写真の示し方を工夫する。
・読む人に分かりやすい文章を心がける。内容ごとにまとまりを作る。書いた文章を読み返して、間違いがないかを確かめる。
■日記
・したこと、見たこと、見つけたこと、言ったこと、聞いたこと、思ったこと、考えたこと、感じたことを書く。
■手紙
・何に対して、どんな気持ちなのかを書く。手紙の型に沿って、丁寧な言葉を使って書く。
■案内の手紙
・内容について、相手が来るために必要なことを考える。来てほしい気持ちを伝える。書き方について、丁寧な言葉を使い、文字を正しく書く。
■観察したこと
・見たり、触ったり、においを嗅いだりして、丁寧に観察する。観察したことを、詳しく書く。気がついたことや見つけたことを書くときは、分かりました、気がつきました、見つけました、ということばを使うことができる。
■報告する文章
・伝えたいことを、内容のまとまりに分けて書く。分かったことと考えたことを区別して書く。分かりやすい絵や写真を使う。
■あらすじ
・話を短くまとめる。話の流れや組み立て(はじめ、中、おわり)や、たとえ(〇〇のような、〇〇みたいな)を使ってみる。
■要約
・まとまりごとに、中心となる語や文を確かめる。分量を考えて、元の文章の組み立てを活かしたり、自分の言葉を用いたりして、短くまとめる。
・要旨をとらえる。筆者の考えは、文章の初めや終わりに直接的に書いてあることが多い。直接書かれている部分以外にも、事例、理由、どのように考えを進めているか、という部分に、筆者の考えが表れる。
■感想
・心に残ったことばや文を書く。自分と似ているところや、ちがうところを考える。自分だったらどうするかを考えながら読む。
・話のどのことばや文から感想を持ったかをはっきりさせる。友だちの感想を聞いて、いろいろな感じ方や考え方があることを知る。
・場面と場面を比べて、人物の様子や出来事のちがいと、その理由について考える。物語を誰の立場から読み、出来事をどうとらえるかによって、物語に対する感想は違ってくる。