説明する力
今日の校内研究では、全国学力調査(対象:6年生)、大分県学力定着状況調査(対象:5年生)の結果分析を行うとともに、改善のための対応を考えました。いずれの調査も、問題文が長く、問題によっては頁をまたぐものもあり、問題文を正しく読み取ることがまず必要となります。教科によらず、記述する問題を苦手としている傾向にあります。記述問題では、条件が与えられます。例えば、80文字から100文字で、AとBについて説明しなさい、という問題。この例では、3つの条件が与えられています。①文字数、②Aについて説明すること、③Bについて説明すること。3つの条件をすべてクリアして正解となりますが、②や③の説明がなく、正解に辿り着いていない場合があります。算数でも、答えを求めることなく、答えを求める道筋を説明しなさいという問題があります。これも、苦手としています。おそらく、答えを求めなさいという問題であれば、正解率が増えると思います。何が問題でしょうか。正しく理解できていないのかもしれません。ことばで説明できると、理解していると感じます。では、書く活動をしていないのかというと、そんなことはありません。授業の終わりや、単元の終わりに、ふり返りを書いたり、週末のことを作文したりと、書く活動は校内研究でも取り上げているほどです。書く力に課題があると認識しているから。では、どうすればよいか。ただ書きなさいということではなくて、一歩進めて、この視点で書きなさい、この条件を入れて書きなさい、としてみてはどうかと思います。また、子どもに理由を聞いたときに、よく、「なんとなく」と返ってきます。これは、相手に伝わる理由にはなりません。そういうことを見逃さずにきちんと伝えて、「なんとなく」との答えをなくしていくことも必要と感じます。ことばの使い方が雑なのです。説明する力を伸ばすには、たくさん説明することが必要です。書く力を伸ばすには、たくさん書くことが必要です。それらも、きちんとめあてをもって練習する必要があります。そのためには、子どもたちが書くふり返りについて、よい点や課題をきちんとフィードバックすることが、やはり重要だと思うのです。これを徹底すれば、二学期の終わりには書く力がしっかりついているはずです。逆に言えば、二学期の終わりに書く力がついていなければ、先生方のふり返りのフィードバックは不十分と言わざるを得ません。二学期は、そのフィードバックを、きちんと確認していきたいと思います。なお、言わずもがなですが、説明する力や書く力を伸ばすには、地道ですが本を読むことをおすすめします。本の中で筆者が何を言おうとしているのかを理解しようとすれば、理解する力、説明する力はついてくるはずです。大人に近づくに連れて、教えられる学習から、自ら学ぶ学習に移行します。自分で本を読んで理解する力は、必ず必要となります。避けて通れません。その意味で、学問に王道なし。しっかりとした本を読みましょう。すごいなと思う人は、間違いなく本を読んでいます。