5年生キャリア教育
5年生は、社会で、工業生産とわたしたちのくらしについて学びます。その一環で、10月1日に、日本製鉄の九州製鉄所大分地区を見学させていただきます。私は、大学院修了後に、今の日本製鉄と合併した、当時の住友金属工業株式会社に就職しましたので、とても懐かしく思います。5年生を引率させていただきますが、大分地区を訪れるのは初めてですので、楽しみです。製鉄所の印象は、とにかく大きいということ。車や自転車など乗り物がないと製鉄所の中の移動はできないというくらいに、製鉄所は広いのです。製鉄所の中では「ご安全に!」という言葉が、挨拶として交わされます。今では、多くの工場でご安全にという挨拶が交わされていますが、ドイツを視察した製鉄所が日本でも始めたと、新入社員教育で聞いた覚えがあります。ちなみに、私は、製鉄プロセスの上工程の製鋼というプロセスの仕事をしていました。転炉という大きな炉で鉄をつくる、迫力のあるプロセスでした。かつて、鉄は産業の米、鉄は国家なりと言われていました。もちろん、今でも鉄は欠かすことができない材料です。工場見学で多くの学びがあることと思います。
11月には、今の産業の米と呼ばれる半導体について学びます。11月11日に、株式会社SUMCOの社員がゲストテーチャーとして、半導体の授業をしてくれます。佐賀県、東京都から、わざわざ、来てくれます。これは、将来、日本の半導体技術を担うかもしれない小学生に、半導体とは何か、半導体に携わる仕事とはどういう仕事かを、純粋に伝えたいという気持ちから、来てくれるものです。ありがたいことです。小学生でも理解できるように資料を準備してくれていますので、半導体とは何か、自分たちの生活の何に役立っているのか、その材料となるシリコンウェーハはどうやって作るのかなど、わかると思います。毎日使うスマホにはたくさんの半導体が使われていますが、当然、シリコンウェーハが基板材料として使われていますので、スマホの中に黒子としてシリコンウェーハを細かく切ったものが入っています。最終商品ではない材料はテレビコマーシャルなどで大々的に宣伝されないため、あまり知られていませんが、実は身近にある、毎日使っているものに使われているのです。九州はシリコンアイランドと呼ばれていることをご存知でしょうか。九州には半導体関連企業が集積しているため、このように呼ばれています。他の地域の人よりも、半導体産業が近くにあると言えるのです。そして、11月26日には、野津原にある大分デバイステクノロジーの工場見学をさせていただく予定です。クリーンルームにも入れていただきます。これは非常にレアな体験になると思います。そのような半導体工場が、野津原にあるということは、ぜひ、覚えていてほしいと思います。野津原を出たとしても、将来、帰ってくる場所があるというのは心強いからです。このように、11月は、半導体の材料であるシリコンウェーハから、半導体製造まで、広く学ぶ機会があります。
将来、理科系に進み、研究や技術に携わる子どもたちは、どれくらいいるでしょうか。日本の産業を支え、日本の技術を支える人たちの話を聞くことは、自分の将来を考えるときに、きっと参考になると思います。また、理科系に限らず、会社で働くとはどういうことかを、半導体の授業ではしてくれますので、将来、働くことになる全員に関わる話になると思います。小学5年生は、11歳。10年後は21歳。15年後は26歳。その頃にはほとんどの人が働いていると思います。キャリア教育を、自分の将来を考えるきっかけにしてほしいと願います。自分が進みたい道がはっきりした人ほど、学びにも力が入ると思いますよ。