【校長コラム No.20 バイアス】
偏見や先入観という意味で、バイアスという言葉が使われます。自分が立てた仮説を検証するときに、自分に都合のよい情報だけを集めることを、確証バイアスと言います。世の中にはたくさんの情報が溢れていますので、自分に都合のよい情報だけを集めることは難しくありません。その集めた情報を根拠に、自分が立てた仮説は正しいと結論付けることも容易です。この確証バイアスの落とし穴は、自分に都合の悪い情報を根拠に反論されると、何も言えなくなることです。水泡に帰すとはこのことです。そうならないように、むしろ、自分に都合の悪い情報を集めて、その反論に対する意見を整理しておくのがよい、ということになります。研究発表では、聴衆からの質問を想定して、質問への回答を準備します。それと同じでしょうか。自分で確証バイアスと気付いていない人がいますので、確証バイアスという言葉は知っておくとよいと思います。