(11/19)野津原小中授業研究会
11月19日、野津原中学校にて、生野先生の授業(1年生、英語)を拝見させていただきました。野津原中学校が育成を目指す資質・能力は、「主体的な課題解決力」と「協働する力」です。研究主題は、主体的な課題解決と仲間と共に協働する力の育成~教科横断的な指導における「ルーブリック評価」を活用した自己評価を通して~、です。授業研究会における授業の視点/討議の柱は、ルーブリック評価表が生徒の資質・能力の育成に効果があるか、ルーブリック評価表の項目は生徒に身につけさせたい資質・能力の成長度合いをはかるうえで適切か、でした。
「ルーブリック評価」について、簡単に説明を付与しておきます。ルーブリック評価とは、評価の「観点」と「尺度」を一覧表として示した評価方法のこと。具体的な行動基準を段階的に明記することで、テストでは評価しにくいパフォーマンスを客観的に評価することが期待されます。また、学習者は自分の到達度を正確に把握しやすくなる、教員は教育活動の改善につなげることが可能になる、ということも期待されます。
したがいまして、ルーブリック評価を取り入れることは、とてもよいことだと考えます。実のところ、小学校でもルーブリック評価を取り入れたいと考えています。具体的には、『ふり返り』に対するルーブリック評価です。子どもたちに、「ふり返りができましたか」と質問すると、ほとんどの子どもが「できた」と回答すると思います。これでは、評価にならないと思うのです。ふり返りで書かれた内容を見ると、実は、大きなばらつきがあります。どんなふり返りでしょうか。例えば、「〇〇を知れてよかった、〇〇がわかってうれしかった。」、「自分は最初は〇〇と考えていたが、◇◇さんの☆☆という考え方を聞いて、そちらの考え方の方がわかりやすいと感じた」、「今回、〇〇を知ることができたので、これを応用して◇◇をすることができるか、自学で調べたい」。ふり返りができたかできなかったかだけでは、次につながらないと思うのです。そうではなくて、自分のふり返りがどのレベルにあるのかを評価することが大切です。学校は、できるだけ高いレベルのふり返りをしてもらいたいと考えています。そうすると、やはり、ルーブリック評価が相応しいという結論に達します。ただし、注意しないといけないことは、正しい評価をするためには、レベルの定義を子どもたちがわかる言葉で具体的に書くことです。ここが抽象的な文章になってしまうと、何をどう評価しているのかがわからなくなり、カオスの状態となります。つまり、ルーブリック評価っぽいことをしている気分になるだけで、それを次に活かせた活動になりません。先生方とも協議をしながら、具体的に検討していきたいと思う、今日この頃です。