消えた時間割[図書館の本]
図書館で用意されている4年生向けの本、『消えた時間割(西村友里作、大庭賢哉絵)』を読みました。子ども向けの120頁の本。15分くらいでしょうか。墨汁で黒くなった時間割の部分が、なくなったという話です。誰かが、今から配る時間割に墨汁をこぼして黒くしてしまいました。人によって、黒くなった部分が違います。例えば、時間割の体育の鉄棒が黒くなった子ども、時間割の算数が黒くなった子ども。自分があまり気乗りしないなと思っている時間が、例えば、階段でけがをして保健室に行ったために消えたり、先生との話し合いで消えたりしたのです。墨汁は近くの寺で拾ったもの。その寺には、江戸時代、書の達人が、すった墨で文字を上から消すと、書かれたことが実際に消えたという伝説があることを知りました。その墨を盗み出した人が、消えてしまったという話も聞きました。子どもたちは、言い伝えと知りつつも、怖くなってきます。ある日、クラスの友だちが交通事故にあったという噂が流れます。その子の時間割を確認すると、その日と次の月の予定が真っ黒。子どもたちに嫌な予感が生じます。そこで、きれいな新しい時間割を配ろうという発想が生じます。クラスの友だちは、交通事故ではありませんでした。ただ、その直後に交通事故がありました。どうも風に助けられたようです。子どもたちは、こういう墨汁が要るかを話し合い、要らないという結論を出します。間違った使い方をするととんでもないことになりますから。ただ、この墨汁、手に入ったら、いろいろな使い方ができそうです。いろいろと想像を膨らませて、どきどきしながら読める本でした。