【校長コラム No.9 予測困難】
子どもには予測困難な時代を生き抜く力が求められる。このように、予測困難という言葉を耳にしたことがあると思います。調べてみると、日本では1990年代以降に、この言葉が本格的に広まったようです。この言葉に違和感を覚えないでしょうか。逆に聞きたくなるのです。予測容易な時代がありましたか、と。戦後の高度成長、バブル崩壊、失われた30年。容易に予測できたでしょうか。予測できたなら、なぜ、回避できなかったのか。問題は回避できなかったけど、予測はできたというのはナンセンス。予測は何のためにするのかと言いたくなります。昔から、その時代に応じた予測困難な時代が続いているということではないでしょうか。取り立てて今の子どもだけが予測困難な時代を生きているということではなくて、昔の子どもも予測困難な時代を生きてきたのだと思うのです。正解がない時代という言い方も同じです。あたかも昔は正解があったように聞こえますが、そんなことはありません。なお、予測困難な時代だからこそ学びが必要、という文脈には同意します。学び続けましょう。