【校長コラム No.5 わかっています】
子どもに行動を促す言葉をかけたとき、「それぐらい、わかっている」と返されたことはありませんか。これは、日本全国で繰り広げられている会話ではないでしょうか。例えば、夏休みに、「宿題は、朝の涼しいときに済ませておいた方がいいと思うよ」という声かけ。「それぐらい、わかっている」との返答。この返答を受けたとき、みなさんはどう反応しますか。「あらあ、知っていたのね、ごめん、ごめん。」こんな反応をできる人がいたらお会いしたいです。「だったら、そのように行動しろよ。」と言いたくなりませんか。わかっているのに、行動しないとしたら、それは、わかっていないのと同じです。行動を伴わない知識は、評論家以外には意味がありません。以前、勤務していた学校の学力調査で、子どもに書く力がないことが明らかになりました。そこで、文章は書けば書くだけ上達するのだから、文章を書かせる機会をもっと増やすべきではないかと提案したことがあります。先生からは衝撃の答えが返ってきました。「それぐらい、わかっています。」子どものような答えに、本当に衝撃を受けました。繰り返しとなって恐縮ですが、わかっていないのと同じですよね。わかっていてしないのであれば、正直、怠慢ではないでしょうか。