ぼくが大人になったら・・・
以前もお伝えしたことがあると思うのですが、本校の児童はよく校庭に落ちているごみを拾って校長室に届けてくれます。中でも1年生が多く、校長室のごみ箱は拾ってきてくれたお菓子等のごみでいっぱいです。いつも拾ってきてくれる児童の中に1年生のSさんがいます。Sさんとの会話がとても印象的だったので紹介します。そのSさんは、校長室のごみ箱にゴミを入れた後、校長室の手洗い場でかかさず手を洗います。先日、Sさんは手を洗った後、唐突に「ぼくが大人になったら、ごみを集める仕事をする!」と話してきました。「え~~!もしかしてごみを拾っててそう思ったの?」とたずねると「うん!!」とにこやかに答えます。きっと、Sさんの中にきれいになったスッキリ感だとか、褒めてもらえる嬉しさだとか、やり遂げた満足感だとかを感じているのでしょう。翌日もゴミを拾ってSさんはやってきたので「まだお仕事は変わってない?」とたずねると「うん。ごみを集める人。」と答えました。その数日後、また聞いてみました。するとSさんは「ゴミ収集車(に乗っている人)!」と答えました。(収集車という語彙を増やしていることに感動しました)そして、今週、私もしつこいですが「お仕事変わってない?」とたずねると、「消防車(に乗っている人)!」と答えました。夢が変わりました。見るもの聞くものすべてに興味・関心のある児童たち。3年の担任をしている時に消防署の見学に児童を連れて行ったら、クラスの半数の児童の夢が「消防士」になっていたことを懐かしく思い出しました。やっぱりいろんなことで影響を受けるのですね。Sさんの次の夢が楽しみでなりません。ちなみに、私は小学校1年生の時から学校の先生になりたいと思っていました。実は先日、校長室を児童の保護者がたずねて来てくれました。何事かと事情を聴くと、なんと私が小学生の時に大好きだった先生の息子さんだということがわかりました。その息子さんのお子さん(先生にとってはお孫さん)をおあずかりすることになるとは。縁とは不思議なものだなあと感じています。